[書評] The Goal(後編)
前回の記事yamablo » [書評] The Goal (前編)では、みんながいつも働いている工場は非常に非効率的であるというところの途中まで説明した。後編ではそれ以降(ページでいえば300ページ前後から)を説明することにする。
みんながいつも働いている工場は非常に非効率的である
ここでもYを非ボトルネック工程、Xをボトルネック工程とする。非ボトルネック工程だけで処理され直接Yから組み立てラインに流れる部品(すなわちボトルネック工程を通らない部品)も存在する。また、Xから組み立てラインに流れ、Yからの部品と一緒に合わせて組み立てられ完成品になる部品(すなわちボトルネック工程を通る部品)もある。
これは現実には、Yのルートは複数の非ボトルネック工程を順に流れ、最後には組み立てラインにたどり着く。Xのルートの場合は間にいくつかのボトルネック工程に部品が供給されている。もし、作業可能な時間中、XとYを常時稼動し続けたとすると、Yからの在庫がどんどん最終組み立てに押し寄せてくる。しかし、製品の多くはボトルネックの部品が必要であるのだが、ボトルネックからは部品が届いていない。つまり、組み立てることができず在庫が溜まる。つまり、この場合はボトルネック工程の前で在庫が溜まるのではなく、最終組み立てラインの前に在庫が溜まるようになる。
つまり、スループットを決めるのは非ボトルネック工程ではない。
以上は、ボトルネック工程の部品が必要な場合を見てきたが、次はボトルネック工程の部品が必要ではない部品について考えてみる。この場合、非ボトルネック工程であるYの動かせる時間は最大稼働時間と同一であると考えてしまいがちだが、そうではない。理由は、非ボトルネック工程Yは定義上、余剰生産能力がある。つまり、Yを常に稼動させておくと、これも余剰在庫が発生してしまう。つまり、Yを動かす時間は、需要を満たすのに必要な時間のみである。
ここまでをまとめると、非ボトルネック工程をボトルネック工程より多く動かしたとしても生産性(スループット)は向上しない。逆に余剰在庫を作り出すだけで目標(利益を上げること)に反することをすることになる。つまり、リソースを使用することと、リソースを活用することは別であるということを頭にいれておくといいだろう。リソースを活用するとあ、目標達成に向かって向上を動かすためにリソースを使うこと。リソースを使用するとは、単純に機械や装置のスイッチを入れたりする物理的な作業のことで、利益が出ても出なくても関係ないことである。リソースが個別に最大化されているシステムは全体的にはまったく最適なシステムでなく、非常に非効率的なシステムである。
科学者の課題アプローチ方法
ビジネスでは普通、初めにデータ収集を行い、次にデータを分類・整理するというステップを踏む。しかし、科学者はそうではない。科学者は最初はあまりデータの収集はしない。逆にまず何か対象、つまり自然界の事実をランダムに取り上げる。そして取り上げた事実に関する仮説を立てる。仮説とは、その現象が存在する理由、つまり最もらしい理由を推測したものを考える。その後、『If(もし・・・ならば), Then(・・・ということになる)』という考え方をする。これを順にどんどん行っていく。これを繰り返すことにより、立てた仮説から結果を論理的に導き出す。この手法の場合、一番大変なことは、予想した事象が実際に存在するのかどうかを証明することである。これはソクラテスの対話も同様である。
このあたりは恐らく、この書籍の続編という形で出版されているザ・ゴール2に詳しく書かれていると思われるので、また時間を見つけて読んでみようと思う。
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三本木 亮
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