[書評] The Goal (前編)
内定先の新卒採用担当の方から紹介していただいた本、ザ・ゴールの書評を書こうと思います。この本を書店で見たときはあまりの分厚さに一度は買うことを躊躇いました。でも、とりあえず買うだけ買ってみようと思い、購入、そして少し読み始めたのですが、この分厚さにも関わらず内容がよく出来ているのかどんどん読み進めていくことができました。この本は、企業の究極の目的は何か?という問いに対し、どのようにして目的を達成するかを描いた小説のような本です。工場を設定として用いているようですが、おそらく他の分野であっても応用することができる内容ですので、企業の究極の目的に興味のある方は一度読んでみてはいかがでしょうか?
企業の究極の目的は何?それをどう確かめる?
企業の究極の目的とは何なのか?自分自身、約1年前は就職活動を行っていたので、このあたりの話はよく聞いた。しかし、建前上の目的を言っている会社は多い。例えば、社会貢献だとか、〜〜の製品を世界中の人に使ってもらうそんな感じのこと。でも本当の目的、すなわち究極の目的はどの会社も同じであり、その目的とは、お金を稼ぐこと、利益を得ることである。その他の社会貢献とかいろいろな類はお金を稼ぐこと、利益を得ることのための手段である。目的と手段はしっかり区別しなければいけない。
さて、究極の目的を知った次は何をしなければいけないか?それは、どのような状態であれば目的を達成したことになるか?を知ることである。すなわち、目的に対する評価指標を確立することである。この評価指標が誤っていると、この後どんなことをやってもうまくいくことはないだろう。適切な評価指標を見つけることである。この本、ザ・ゴールでは、工場における評価指標として、
- スループット
- 在庫
- 業務費用
の3つを挙げている。スループットとは、販売を通じてお金を作り出す割合のことである。在庫とは、販売しようとするものを購入するために投資したすべてのお金のこと。業務費用は、在庫をスループットに変えるために費やすお金のことである。利益を得るためには、これらの指標すべてにおいて改善する必要がある。どれかを犠牲にして、ほかの指標を改善しただけでは意味がない。また、局所的最適化を行ったとしても短期的には成功したかのように見えることもあるが、長期的に見ればまったく意味がない。局所的最適化ではなく、全域的最適化が必要である。
ボトルネックと非ボトルネックの考え方
運転費用を考える際に、ボトルネック工程と非ボトルネック工程を同じ次元で考えていてはダメである。非ボトルネック工程の業務がストップしていたとしても、それは全体で考えれば、大きな意味を持たない。ただし、ストップしている工程がボトルネック工程であれば話は別であり、その場合は想像以上のコストを費やしていることになる。重要なことは、すべての工程をボトルネックに合わせて動かすべきである。そのために非ボトルネック工程が非稼動になったとしてもそれは気にしてはいけない。非ボトルネック工程を常に稼動状態にしておくと、それは在庫を増やすことにつながり、それは業務費用を圧迫する、さらにはスループットの低下にもつながってしまう。
ボトルネックを無駄にしないための手法としてこの本で紹介されていた手法は、大きく4つあった。1つ目は、ボトルネック工程の一部を他社にアウトソースすること、2つ目は、古い機械であっても同一の工程を行える機械があればそれも併用する。3つ目は、常にボトルネック工程は動かしておくこと。4つ目はQC(品質管理)工程をボトルネック工程の前にも置くこと。このようにして、少しでもボトルネックを有効に使うことが重要である。これらを行った上で、非ボトルネック工程での作業はボトルネック工程の進捗に常にあわせておくことが必要である。
みんながいつも働いている工場は非常に非効率的である
ボトルネック工程をX、非ボトルネック工程をYとし、YがXに部品を供給すると仮定する。非ボトルネックの定義よりYは余剰能力を抱えている。X, Yともに1ヶ月あたり最大600時間の作業が可能だと仮定する。Xはボトルネック工程であるため、600時間の稼動が必要。しかし、Yはそれ以下の稼働時間で十分である。ここではYは450時間の稼動で十分であるとする。ここで残りの150時間をYはどのように使うかが重要である。多くの経営者はここでYに資材投入を行い、仕掛り品を作らせようとする。そうすると、Xの前に在庫の山ができてしまう。さらに、この工場がスループットに換えることができる以上の資材投入をしてしまい、余剰在庫が多く発生してしまう。つまり、みんながいつも働いている工場は非常に非効率的であることになる。このロジックにはまだ続きがあるが、それは後編にて説明することにする。
続きは後編にて。
| ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か |
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三本木 亮
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深い内容がわかりやすく解説されてる名著
ためになる。
12月 20th, 2009 at 9:42 PM
[...] 前回の記事yamablo » [書評] The Goal (前編)では、みんながいつも働いている工場は非常に非効率的であるというところの途中まで説明した。後編ではそれ以降(ページでいえば300ページ前後から)を説明することにする。 [...]
12月 24th, 2009 at 2:53 PM
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